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今回特徴的に見られた症状
●全身、もしくは膝から下だけ、背中だけといった局部的な皮膚の発疹の発生。
これが10名ほどいらっしゃいます。局部的な発生については、いずれの方も診察した医師も原因が分からない、名前が付けられない症状ということでした。福岡市内に住む幼い兄弟も同時に発症しています。
また、腕に直径約7センチに達する紫斑が出ている40代女性、手足に煙草を押し付けたかのような痣が多数現れた60代男性。痣はおそらく全身に出ているだろうとのことです。この男性は急激に体重も減少しており、医師の診断の結果、生命の危険があるということで現在入院されています。
以上を含め、皮膚に異変が出た方が70名中、20名と多数いらっしゃいます。
●さらに、体がだるい、下半身に力が入らない、異常に強い眠気に襲われるという「全身の異常」を訴える方も18名とやはり多数おられます。これは原爆ぶらぶら病と似ていないでしょうか?
●ついで「頭部の異常」です。頭痛や頭の重さに加え、めまい、気が遠くなる、記憶力・集中力の急激な低下など、脳への影響と思われるものを報告された方が23名。中には、自宅の電話番号さえ思い出せなくなった40代男性の方もおられます。
●改めて申し添えますが、これらの症例のほとんどは、焼却開始以降初めて経験したもの、長らく経験していなかったが久しぶりに現れたものばかりです。試験焼却で発症し、いったん治まったが,また本焼却で再発した方もたくさんおられます。
ここで、清掃工場から3キロ以内に住む50代女性の報告を一つ、読み上げます。この方も生まれて初めて経験する症状がいくつも現れました。
「焼却開始の翌日18日、家から外に出る際、高機能マスクを付けていたにも関わらず、胸の奥の方に生まれて初めて感じる痛み。知人の医療関係者に尋ねると、「そこは心臓だ」という指摘。翌日18日は微熱、下痢、倦怠感で何時間も起きられない。その日以降も時折胸の痛みが再発し、夜には呼吸困難に陥ることもある。
10月初旬、足がつり、その翌日には膝から下だけに多数の原因不明の発疹が現れるようになった。いずれも生まれて始めての症状ばかりが続いている。」
なお、その発疹の患部の写真は資料作成者が確認しています。この方はお仕事やご家族があるにも関わらず、ダメージの酷さからやむなく遠方に一時避難されています。
健康異変の全体的な傾向
●これまで各人が経験したことのないかつ医師の診断の付かないような症状が見られること。先に紹介した局部的な発疹、痣、胸の痛み、記憶力や集中力の減退、異常な眠気などです。
また、これ以外でも先に紹介したように東日本で多く見られる内部被曝症状と似た症状が福岡県内でも見られるようになりました。
●それから体調が元々良くない方、体が丈夫でない方、アレルギー体質の方、そして子ども達に特に顕著に健康の異変が現れています。
その一方で体調の変化ほとんどない、まったくない方も多くおられます。
このように現時点では市民の健康状態に二極化の様相を呈していることが挙げられます。しかし自覚される症状のない方も、等しく放射性物質と化学物質が取り込まれているのではないでしょうか。
●また、一つの家族の中で全員に似たような症状が繰り返し発生するということがみられます。
6人家族で、その全員が深刻な体調不良を抱えているケースも複数みられます。原因としては大気や水、食品を媒介して家族全員の体内に有害な物質が入ったことが想像されます。
●そして、東日本から福岡県内に避難されている方々の多くが焼却開始後に体調が悪化しているという重大な問題が発生しています。
そして福岡から、南九州や海外へ再度、避難せざるを得ないという3.11前の日本では考えられないような生活を強いられているご家族が何家族もおられます。「放射能から逃げ惑う、流浪の民」がこの日本で発生しているのです。福島の原発事故が人々を故郷から追い出し、そしてまた汚染がれきが彼らを追い出す。こんな酷いことが一体許されていいのでしょうか。
ここはあくまで現代の日本ですよ。どこかの戦乱が続くような国でも、戦乱の時代でもないのですよ。
結論とお願い
北九州の焼却開始後、公的に設置されたモニタリングポストの空間線量の値が、雨が降るのに合わせて上昇するというケースが福岡県内各地及び山口県などの近隣自治体で見られます。清掃工場のバグフィルターで99.9パーセント捕捉できるのならば、なぜ雨が降るだけで線量が広域で上昇するのでしょうか。
このような地域では、北九州のがれき焼却の影響が及んでいる可能性があります。そうであるならば、健康被害が発生している地域も、非常に広域に及んでいるのではないでしょうか。
しかし北九州市は、山口県や福岡県行橋市など近隣自治体住民からの広域処理説明会の開催要望を、固く拒み続けています。空気に境目はありません。要望が出ればその自治体に出向いて説明会や健康調査を行うのが筋なのではないでしょうか。環境省もそのように北九州市に指導していただくようお願い致します。
私たちは、必ずしも北九州市の焼却とは因果関係が認められなくても、焼却開始と同時にいっせいに体調異変のケースが発生していることから、放射性物質を含む化学物質が清掃工場から漏れ出し、地域住民の健康状態に少なからぬ影響が出ていることは疑いようが無い、と考えています。放射性物質だけに目が行きがちですが、木質がれきに含まれるヒ素、クロム、鉛などの影響も大変大きく恐ろしいものだと私たちは実感しています。
さらには、海外に比べ非常に緩い暫定基準値や産地偽装により、西日本にも流れ込む汚染食品による内部被曝、福島第一原発から何度も直接九州まで届いた放射能プルーム、北九州市で行われている疑いが非常に高い民間企業による汚染がれきや焼却灰の受入などにより、既に北九州市民を含む福岡県や隣県の住民の体や環境は汚染されている可能性が非常に高いと思われます。
がれきを焼却する前から、既に住民の体は放射性物質やその他の化学物質で汚染され、免疫力低下などのダメージを負っているはずです。それに加えて目の前で汚染されたがれきを焼かれるのですから、健康被害が出ないほうがおかしいのです。
私たち住民の体が、がれき焼却前から既に汚染されている有力な状況証拠として、「易骨折」が挙げられます。
福岡県内では昨年から、成年未成年にかかわらず、骨折が非常に多数発生している疑いがあります。
この資料作成者は今年の4月以降、周囲で20例以上の骨折の情報を確認したそうです。また歯が折れる、歯にひびが入るなどの事例も発生しています。資料作成者も今年に入り、2度歯が折れるという経験をしています。
熊本市の開業医、小野 俊一先生も全国で見られる骨折の多発に注目され、易骨折の情報を集めておられますが、骨折の多発の原因はストロンチウム、もしくは放射性銀が壊変した結果できたカドミウムの骨への沈着ではないかと考えていらっしゃいます。
多くの市民の体内にストロンチウムが沈着している、そういう内部被曝状態に加えて、がれき焼却による影響が重なれば、想像も付かないような規模と内容の健康被害が今後発生する可能性があると私たちは非常に大きな懸念を抱いています。
北九州市に元から住む住民、また東日本から北九州に避難していた住民の間でも「脱北」が始まっています。脱北とは「北九州市を脱出する」という意味で私たちが使っている言葉です。
こんな悲しい言葉を使う事態になったのも、行政と経済界、政治家ががれき利権やクリアランス制度の定着、原発維持・推進のための核廃棄物の最終処分場探しといった目的のために、なんら必要もない「超」広域がれき処理を始めたからではないでしょうか?
彼らは国民の生命や健康、子ども達の未来など、二の次どころか、どうでもいい、被害や犠牲が発生しても隠蔽してしまえと考えているとしか、私たちには思えません。
また本来、廃棄物処理に関する事務は自治事務であり、がれき焼却で仮に健康被害が出れる事態となれば、それは北九州市が対応し、必要であれば損害賠償をするべき話なのですが、北九州市は、国が健康被害を補償するなどと、おかしなことを語っています。
また、北九州市はもし健康被害が出て損害賠償を請求するならば、被害者が自らがれき焼却との因果関係を立証せよなどと、これまでの公害問題と同じく弱者を切り捨てるかのようなことを発言しています。市民に因果関係の立証などできはしないと、たかをくくっておられるのではないでしょうか。
先に述べましたように、健康被害の疑いのある症例がこれだけ多数報告されています。焼却開始からわずか2ヶ月足らずの間に、です。
私達は一刻も早く北九州市を含むがれき処理を中止し、現在受け入れ計画中の自治体も北九州市の二の舞をさせぬよう、やめさせるべきであると思います。
そして北九州市や東京都などがれきを焼却している自治体では、周辺自治体を含めた住民に対する健康状況調査、これをすみやかに実施していただきたく思います。
また政府、環境省、北九州市は、広域がれき処理にあたり住民を安全だと騙し続けてきたことを正直に公表し、誠実に全住民に謝罪すべきだと思います。
その上で北橋 健治北九州市長とがれき受入を全会一致で決定したすべての北九州市市議会議員には、引責辞任をお願いしたく思っております。
以上です。
すずめです。
この行政交渉はあらかじめ環境省側から「録画、録音は禁止」と条件が付けられたそうです。
その理由を交渉に参加した方から直接お聞きしました。
「山本 節子さんが広域処理の違法性・不法性を次々と指摘すると、当初は反論していた職員らも次第になんら返す言葉が無くなってきました。」
「交渉に参加した4人の担当職員は、市民代表からの健康被害や広域処理の違法性の訴えを聞くにつれて唖然とした表情をしたり、口をぽかんと開けていました。」
「中には手ががたがた震えていたり、発言するとき声が震えていた職員もいました。」
とのことでした。
おそらくは広域処理の違法性・不法性を指摘されると返す言葉が無い、そのことを環境省も分かっているから、録画・録音を禁止したのでしょう。
また、実際に激しい健康被害が出ていること、そしてその状況を市民が掌握していること、その内容に驚いたのかもしれません。
山本 節子さんは健康被害についても
「がれき焼却ではもっとも激しい被害が出ているのが東京都です。頭の良い人間はもうとっくに東京から逃げ出していますよ!馬鹿な都知事がとんでもないことをしてくれたものです。あなたたちは廃棄物行政のプロなら、なぜ政治家たちの愚行を止めなかったのですか!」
と厳しいお言葉を、職員に発しておられたそうです。